欧州チャンピオンズリーグ決勝は29日(日本時間30日午前4時)にポルトガル・ポルトで、マンチェスター・シティーとチェルシーが対戦。欧州CL決勝ここに注目第2回は監督編。初優勝を狙うマンCのジョゼップ・グアルディオラ監督(50)はバルセロナ指揮時に2度優勝し、マンC就任5年目での戴冠がかかる。一方、チェルシーのトーマス・トゥヘル監督(47)は就任5カ月、昨季パリ・サンジェルマンで準優勝に終わった雪辱を目指す。

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グアルディオラ監督はよく「哲学者」と呼ばれる。ワンタッチ、ツータッチで球も人も動く、いわゆるポゼッションサッカー。バルセロナで身につけ、“お堅かった”バイエルン・ミュンヘンにも浸透させ、マンCではその「勝利の方程式」に見合う選手をそろえ、完成形に近づけた。

「監督としてでなく、観客として試合を見る視点が重要」。見て楽しいサッカーが大好きなのだ。成長株の20歳フォーデンは「子供の頃、バルサの試合を見て衝撃を受けた」という“ペップ・チルドレン”。ピッチ内の戦術より、哲学が裏方やファンを巻き込み、安定政権をつくってきた。

10年前にバルサで優勝した際は、試合前から自信があったという。たぶん選手の経験値なのだろう。今大会準決勝後、「ほとんどの選手は欧州CL決勝を経験していない」と発言。その後、「チームが特に強くなったとは思わない」「ささいなことが勝負を分ける」とも話している。

今やカリスマと呼ばれるグアルディオラ監督でも、クラブ史上初の欧州制覇に重圧や不安はあるはずだ。仮にピンチに陥った時、どんな“策士ぶり”を見せるだろうか。