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<ひと物語 コロナ編>「ここに密なし」山守る いばらき森林ガール・岡田瑞穂(おかだ・みずほ)さん(35):東京新聞 TOKYO Web - 東京新聞

「木を切り倒すと『やった』という手応えがある」と話す岡田瑞穂さん=常陸太田市で

「木を切り倒すと『やった』という手応えがある」と話す岡田瑞穂さん=常陸太田市で

 木々を渡る風を深呼吸。すがすがしい空気が肺に満ちる。同僚は十メートル以上離れている。「ここに密はありません」。明るい声が山に響く。息苦しくて作業がしにくいから、仕事中はマスクをつけない。そのため、人に会う時は忘れそうになるのだそうだ。

 福島県に父親が小さな山を所有している。自然も好きだ。二〇一八年九月に、常陸太田市森林組合で働き始めたのも不自然ではなかった。「きつい、汚い、危険」のいわゆる3K職場といわれる林業だが、「自分が植えた木が山がどうなるのかが楽しみ」と気にしてはいない。

 鹿嶋市育ち。高校卒業後に林業会社の工場に就職、二十四歳からは英国ロンドンに語学留学し、九年間過ごした。「生活のため働いてばかりいた」という当時から、帰国後は山の仕事に就こうと考えていた。女性林業家の動画を見て、環境のためになり、収入も得られる魅力的な仕事に映ったからだ。

 今は造林班に所属し、スギやヒノキを植えつけている。六月ごろからは下草刈りだ。暑さとの戦いが厳しい作業で、一日で逃げ出す人もいるというが、むしろ重い苗木袋を背負うため、植えつけの方が大変だと感じている。

 県林業組合によると、県内で林業に携わる人は約五百人で、うち三十代以下の女性は1%ほど。人口減少で男性だけで山を守れなくなる可能性がある中、機械化の進展もあり、わずかずつだが、就業する女性も出てきたという。

 「木材生産や保水、水源涵養(かんよう)などで山が見直されている。そんな山を守る仕事の価値を多くの人に知ってほしい。残業はないし、緑に囲まれて気持ちがいい。大変なのは、男性ばかりで会話についていけないことぐらい」と笑う。

 県内の山では利用時期にある木が増えている。あまり知られていないが、土壌や気候などから良質な木が育つという。

 県産材の利用を増やすPRを、役割の一つとするのが「いばらき森林(もり)ガール」だ。林業や製材業、建築・設計などで活躍する女性五人ほどがメンバーで、木や森の魅力を女性の視点から発信する。

 コロナ禍で、学校などに出向いての講座は休止中。ただ、再開したら「自然や山の魅力を伝えていきたい」と前を向く。

 自分で木を植え、育て、伐採し、生活費を稼ぐ。そんな生活が理想だ。林業は女性も一生の仕事になり得ると思っている。

 「いろんな植物が生える植生が多い山にしたい。父の山から少しずつ始めたい」。今はそう考えている。(鈴木学)

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May 24, 2020
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