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「おかえりモネ」内野聖陽&西島秀俊 朝ドラ初競演の裏側 2人が生むアドリブと磁力 衣装も何食べ意識 - スポニチアネックス Sponichi Annex

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連続テレビ小説「おかえりモネ」第69話。初対面した耕治(内野聖陽・左)と朝岡(西島秀俊)(C)NHK
Photo By 提供写真

 俳優の内野聖陽(52)と西島秀俊(50)が19日に放送されたNHK連続テレビ小説「おかえりモネ」(月~土曜前8・00、土曜は1週間振り返り)第69話で今作初の同一シーン共演を果たした。2019年4月期に話題を呼んだテレビ東京の深夜ドラマ「きのう何食べた?」にダブル主演した“盟友”が朝ドラ初競演。15分ほぼ全編にわたり、笑いあり涙ありの2人芝居を繰り広げた。今回が朝ドラ演出デビューとなった同局・押田友太監督(32)に2人の名演の舞台裏を聞いた。

 <※以下、ネタバレ有>

 女優の清原果耶(19)がヒロインを務める朝ドラ通算104作目。清原とタッグを組んだNHK「透明なゆりかご」やテレビ東京「きのう何食べた?」などで知られる安達奈緒子氏が手掛けるオリジナル作品。朝ドラ脚本初挑戦となった。タイトルにある「モネ」は主人公・永浦百音(ももね)の愛称。1995年に宮城県気仙沼市に生まれ、森の町・登米(とめ)で青春を送るヒロイン・百音が気象予報士の資格を取得し、上京。積み重ねた経験や身につけた技術を生かし、故郷の役に立ちたいと奮闘する姿を描く。

 押田監督は2013年に入局し、初任地は広島放送局。17年から東京のドラマ部。大河ドラマ「西郷どん」(18年)、朝ドラ「なつぞら」(19年)の助監督などを経て、今回、「おかえりモネ」第14週「離れられないもの」(8月16~20日)で朝ドラの演出を初担当した。

 第14週は、朝岡(西島)がスポーツ気象に専念するため、Jテレのニュース番組「あさキラッ」「ニュースナイトJ」の気象キャスターを降板。「あさキラッ」の後任は莉子(今田美桜)。莉子が担当していた中継キャスターに、百音(清原)の名前が挙がる。その数日後、耕治(内野)と龍己(藤竜也)がカキの品評会のために上京。汐見湯も訪れ、百音や菅波(坂口健太郎)、菜津(マイコ)らにカキを振る舞う。翌日、娘の職場を見学しようと、耕治がウェザーエキスパーツに足を運ぶと、1階の「お天気ふれあいコーナー」で朝岡と出会う…という展開。

 耕治は故障した「竜巻マシーン」を修理しながら、朝岡と世間話。初対面だったが、朝岡はふと後悔や悩みを耕治に打ち明ける。朝岡は8年前、記録的な大雨に見舞われた明岩市石音町(架空の町)に最大級の警戒を呼び掛けたが、大規模な土砂災害が発生。以来、災害が起きる土地に暮らすことについて考えていた。

 押田監督も14年8月に発生した広島市の土砂災害を取材。「家族の中でも、その土地に残りたい、離れたいと考えが分かれるのを目の当たりにしたりしました。被災された人の気持ちを報道するのはとても難しく、苦しかったです」。この経験を本打ち(脚本作りの会議)で脚本の安達氏に伝える機会もあり、テーマを共有した。

 「気仙沼を離れた百音、気仙沼に残った未知(蒔田彩珠)に象徴されるように、第14週の『その土地を離れるか、離れないか』というのは、もともと安達さんがこの作品で描きたかった根底のテーマの1つだと思います」。そこから、転勤族だったため地元と呼べる場所がない朝岡、耕治の上京、耕治と朝岡の出会いと安達氏が見事なストーリー展開を紡ぎ上げた。当初から第14週を担当することが決まっていた押田監督は「まさか耕治さんと朝岡さんが出会うとは思ってもみませんでした」と振り返った。

 「第14週の台本を読んだ時、これまで完ぺきな人だった朝岡さんが実は孤独なんだと思いました。誰にも打ち明けられなかった朝岡さんの思いを受け止める救世主として、耕治さんが現れる。週の前半は、8年前に経験した朝岡さんのつらい過去も明らかになり、シリアスになりがちですが、第68回(8月18日)の耕治さんや龍己さんが上京してくるところや耕治さんと菅波先生たちのやり取りはコメディーに寄せました。シリアスな部分とコミカルな部分がうまく混じり合いながら、第69回の耕治さんと朝岡さんの出会いでそれぞれの要素がぶつかれば『どんな時でも前向きに生きていく』というこのドラマの根底にあるテーマにつながるのでは、と意識しました」

 「竜巻マシーン」は耕治が修理する配線なども美術スタッフが細かく制作。「耕治さんがどの箇所を修理すれば、いかに自然に作業をしながら朝岡さんの話を聞けるか、美術さんと詰めていきました。リハーサルの時、竜巻が起こるのをご覧になった内野さんと西島さんが『ホントに凄えな!』と大変感激されて。それがあったので、2人が竜巻マシーンを運んでくる時の『これ、凄いんですよ。見たら、ビックリしますよ』(朝岡)『何か、綿あめ作る機械みたいだな』(耕治)というアドリブの会話も生まれました。美術さんが頑張ってくれたおかげです」と明かした。

 耕治は白地に赤系の柄が入ったワイシャツを着ているが「僕も『何食べ』が好きだったので、ちょっと意識しています。『何食べ』は内野さんがポスター(代表カット)で着ているオレンジ色のシャツが印象的ですよね。竜巻マシーンの修理中、内野さんにメガネをかけていただこうかとすら思ったんですが、さすがにやりすぎなので」と笑った。

 朝岡の台詞「私は薄情なので、何も好んで、そんな(災害が繰り返し発生する)土地にとどまることはない。離れればいいじゃないか、と。土地へのノスタルジーなんて、命には換えられないだろう、と。でも、命を引き合いに出して、大事なものを捨てろなんて迫るのは、部外者の暴力でしょ」が見る者に突き刺さる。

 ドラマ上は初対面の2人だが、内野と西島ゆえに成り立つ心の奥底の告白。「西島さんは東日本大震災を題材にした映画にもご出演されていて、この台詞は非常に難しいとおっしゃっていました。それでも、お二人のあうんの呼吸で成立したシーン、回だと思います。耕治さんが百音と未知、子どもたち全員への思いを吐露する時の『もう1人(娘が)いるんですけどね、頑張り屋さん(未知)がね』『何だか、語りすぎちゃったね』、ラストの『(直らなかった竜巻マシーンは)どうします?粗大ゴミ、出しますか?』(耕治)『いや、ダメですよ。社長に怒られますよ』(朝岡)などの台詞もアドリブです。初対面の2人が深い話をする本当に難しいシチュエーション。アドリブをお願いしたわけじゃありませんが、大事な台詞は押さえていただいて、あとは自由に演じていただいた方が、初対面の2人の関係が深まっていく様子を撮れるんじゃないかと。ただ、撮影現場でお二人の仲が良すぎるので『ここでは、お二人(耕治と朝岡)は初対面ですから』『あ、仲良くなってた?』というやり取りは何度かありましたね」

 2人は最初は立ち話だったが、途中かがみ、最後は耕治が床に座り込み、朝岡が深くしゃがんで話し込む。カメラが2人の動作を追いかけるように接近していき、2人の距離が徐々に近づいていく瞬間を表現した。「2人の関係性を崩さないように、1ショット以外はほとんどズームを使っていません。こちらの意図が入るカメラの効果を使うより、2ショットでお二人の迫真のお芝居をじっくり見せることが何より大事だと考えていました。また、当初考えていた別のカメラワークのプランもあったのですが、お二人のお芝居に引っ張られて、カメラが自然とお二人に寄ることになりました」。内野と西島の2人にしか生めない“磁力”がそこにあった。

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