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嘘のような本当の話。オスカーの5大珍事件を覚えてる? - VOGUE JAPAN

1. 全裸男の乱入。(1974年)

Photo: Uncredited/AP/Shutterstock

1970年代当時のアメリカにおいて、ヌードはラジオから聞こえくるアバのニューシングルと同程度にありふれたものだった。いや、むしろ歓迎される雰囲気さえあったともいえる。そんな時代背景があったとしても、1974年のアカデミー賞授賞式で、裸の男性がピースサイン(とその他もろもろ)をしながらステージを横切るなんて、誰が予想しただろう。当たり前だが、会場内は一時騒然となった。

視線を独占したこの男性の正体は、ゲイの権利を訴えるアーティストのロバート・オペル。テレビの前の視聴者だけでなく、ステージ上で、プレゼンターのエリザベス・テイラーを紹介中だった俳優のデヴィッド・ニーヴンも、この不意打ちに愕然とした様子。だがニーヴンはすぐに落ち着きを取り戻し、男が去った後にコミカルかつ手厳しいこんなひと言を発したのだった。

「彼が、その人生で最大の笑いをとるチャンスに、服を脱いて自らの“至らない”部分をさらけ出したことを考えると、なかなかに趣深いではないですか」

2. 前代未聞! 受賞作品の取り違え。(2017年)

Photo: Kevin Winter/Getty Images

記憶に新しい人も多いだろう、前代未聞の取り違え事件の全容はこうだ。この年のアカデミー賞では、美しい色調で男女の出会いと別れを描いたデミアン・チャゼル監督の『ラ・ラ・ランド』(2016年)が、もっとも権威ある作品賞を受賞……したかに思われた。だがこのとき、舞台裏ではあってはならないミスが立て続けに勃発していたのだ。というのも、プレゼンターを務めたフェイ・ダナウェイとウォーレン・ベイティに手渡された封筒の中には、『ムーンライト』(2016年)が記されているはずだった。

ところが、1934年からアカデミー賞の投票集計を手がける会計事務所、プライスウォーターハウスクーパース(PwC)がウォーレンに手渡した封筒に書かれていたのは、すでに発表済みだった主演女優賞の受賞者、『ラ・ラ・ランド』のエマ・ストーンだった。封筒を開けたウォーレンは明らかに当惑した様子で、封筒をフェイに見せた。すると彼女は、そこに記されているべき作品とは異なる作品名を、咄嗟に読み上げてしまったのだ。会場には歓声とファンファーレが一瞬響いたものの、すぐに当惑のささやきや驚きの声に取って代わられた。『ラ・ラ・ランド』のプロデューサーの一人、ジョーダン・ホロウィッツはすぐさま壇上のマイクに駆け寄り、観衆に向かってこう告げた。

「ミスがあった。『ムーンライト』、作品賞を授賞したのは君たちだ。これはジョークじゃない」

この混乱の中、オスカーは『ラ・ラ・ランド』から『ムーンライト』へと手渡され、互いを尊重し合う両チームのあたたかな態度に、会場には感動と祝福ムードが一気にあふれた。この許されざるミスを犯した監査役の2人は、今後、アカデミー賞に関わることを禁止された。

3. 天然? それとも? ジェニファー・ローレンスが晴れ舞台で大コケ。(2013年)

Photo: Kevin Winter/Getty Images

過去に4度もオスカー候補に選出された(これは史上最年少記録でもある)ジェニファー・ローレンスは、レッドカーペット・ドレスのセンスのよさにも定評がある。さらに彼女は、普通ならお高く止まってもおかしくない存在ながら、気さくで親しみやすいキャラクターで、多くに愛される女優になった。こうした評判確立に一役買ったのが、2013年のアカデミー賞授賞式だ。

この年、『世界にひとつのプレイブック』(2012年)で主演女優賞に選ばれたローレンスは、ステージに向かう階段でド派手に転倒してしまったのだ。しかし、美しいディオール(DIOR)のドレスをまとったジェニファーはすぐに立ち上がり、ドレスのすそを持ち上げて残りの階段を登りきった。そしてステージに上がると、この失敗を素直に恥じらいながら、こう笑いに変えたのだ。

「みなさんが立ち上がって拍手してくれたのは、転んじゃった私を可哀想に思ったからでしょう? むしろ、余計に恥ずかしいわ!」

この一件を機に、彼女の天然キャラはイメージ戦略なのでは? という疑いの声が出はじめた。逆風の極め付きは、人気番組「サタデー・ナイト・ライブ」でアリアナ・グランデが披露した、ジェニファーのものまね。アリアナはジェニファーになりきって、こんなセリフを口にしたのだ。

「クイズ番組に出ちゃいけないって言われたけど、『バカにしないでよ、私だって楽しんでいいはず。普通の人間なんだから!』って言い返してやったわ」

これに対するジェニファーの反応は? アメリカ版『VOGUE』2017年7月号のカバーストーリーに登場した彼女は、アリアナのものまねを絶賛し、「マジそっくり」とコメント。さすが一流女優の余裕なのか、彼女の飾らない人柄のなせる技なのかは、あなたの解釈次第といったところか。

4. あわやバトル勃発? サム・スミスの善意が裏目に。(2016年)

Photo: Kevin Winter/Getty Images

保守的と批判されがちなアカデミー賞だけに驚きはないが、この10年のノミネートや受賞者を振り返ると、LGBTQ+コミュニティに属する人たちの数が圧倒的に少ないことに気づく。実際の歴代受賞者を見返しても、ゲイであることを公表した政治家、ハーヴェイ・ミルクの生涯を描いた『ミルク』(2008年)で脚本賞を手にした、ダスティン・ランス・ブラックなど、ごく少数だ。一方、ヘテロセクシュアルの俳優がスクリーン上でゲイやレズビアン、トランスジェンダーの役柄を演じ、ノミネートされたケースは数多い。

とはいえ、たとえ数人でも受賞者がいるというのは揺るぎない事実だ。2016年の授賞式で歌曲賞に輝いたサム・スミスは、壇上でのスピーチでLGBTQ+コミュニティへの配慮を表したが、それがこの善意が仇となってしまったのだ。

「数ヶ月前に、俳優のサー・イアン・マッケランが寄稿した記事を読みました。それによると、ゲイであることを公表している人がオスカーを手にした例は、過去に一度もないそうです」

スピーチ直後、『ミルク』脚本家のダスティンは、2009年の授賞式で自身が行ったスピーチの動画をツイートし、こうサムに釘を刺した。

「やあ@SamSmithWorld(サムのTwitterアカウント名)、僕がどういう人間なのか知らないのなら、僕のフィアンセ(イギリス人ダイバーのトム・デイリー)にテキストメッセージを送るのはやめてくれないかな(サムとトムは友人で、テキストメッセージを交わす仲)」

サムはその後、音楽誌『NME』のインタビューで自身の過ちについて謝罪し、こう心中を語った。

「心の底から落ち込んだよ。あの授賞式は、全世界で9000万人もの人が見る大舞台だ。せっかくだからポジティブなメッセージを発信しようと思ったら、それが裏目にでるなんて」

これをきっかけに、サムとダスティンの間にバトル勃発か? と思われたが、ダスティンがツイッターに追加メッセージを投稿し、彼のサムに対する発言はジョークだったと釈明。噂は杞憂に終わったのだった。何れにしても、ハリウッドにおいて多様性がもっと尊重されるようになれば、こんな騒動は起きなくなるだろう。

5. トラボルタの「勝手に改名」事件。(2014年)

Photo: ROBYN BECK/AFP/Getty Images

2014年のアカデミー賞受賞式では、何かと物議を醸しがちなベテラン俳優、ジョン・トラボルタがネットの話題をさらう珍事件を起こした。トニー賞に輝くミュージカル女優で、『アナと雪の女王』(2013年)の劇中歌でも知られるイディナ・メンゼルを紹介しようとしたジョンは、なぜか「(舞台の)『ウィキッド』で知られる唯一無二の才能、アデル・ダジームです!」と、謎の名前を持ち出してしまったのだ。

この発言は、単なる困惑という言葉では収まらない反響を呼んだ。この失態を揶揄した「トラボルティフィケーション(Travoltification)」という、つまりトラボルタのように人の名前を改変してしまうことを指す造語がネット上で拡散し、スラングの解説サイト、アーバン・ディクショナリーにも、すぐに「トラボルティファイ(Travoltify)=トラボルタ化する」という単語が加えられた。そこでは、「意図的であるかを問わず、誰かの名前を原型をとどめないほどに改変する」行為と定義されている。

一方のイディナは、自分の名前を間違えられたにもかかわらず、ジョンには寛容な態度をとった。さらに翌年、2015年のアカデミー賞授賞式ではこの騒動を逆手に取った自虐寸劇を披露して笑いをとった。司会のニール・パトリック・ハリスが、ベネディクト・カンバーバッチの名前について「ジョン・トラボルタに『ベン・アフレック』と言ってもらったらこんな響きになるね」とジョークを飛ばすと、イディナがステージに登場して、ユーモアたっぷりにジョン・トラボルタをこう紹介したのだ。

「私の大切な友だち、グロム・ガジンゴさんです」

さらに壇上で、ジョンがこの年の歌曲賞候補を紹介しようとすると、イディナは彼に「私がやりましょうか?」と声をかけた。どうやら彼女は自身が歌った大ヒット曲の歌詞にならって、ミスを「ありのまま」受け入れることを選んだようだ。

Text: Freddie Braun

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January 30, 2020 at 10:01AM
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